『N』ー忍びで候うー
ひとりになった店内で、ふーっと息をついた。
たっぷりミルクを注ぐ。



ぁ、残りのケーキしまっておいたほうがいいよね。

席を立ってカウンターに入ろうとしたその時、さぁっと風が吹いた気がして振り向いた。



「!!!っ」
振り向ききる前に、突然身体を背後から羽交締めにされ、口を覆われた。固定された身体、背中に体温を感じる。


「動くな。」



低い声がした。
知らない声。

背筋がぞくっとした。






まさか、泥棒?!




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