貴方が欲しい
私達は家に帰ると寝室に向かった
寝室にはいると枢が
「瑠璃、実は瑠璃に話さないといけないことがあるんだ 」
と言ってきた
「なに?」
「瑠璃と優姫を人間にしたあの日、誰かがこの本邸に来たのは知っているかい?」
「うん、誰か怖い人が来たっていうのは知ってる」
「その人の名前は、玖蘭李土。樹里と悠のお兄様なんだ」
え?
でもなんでそのお母様とお父様のお兄様がなんでここを襲ったの?
「李土は瑠璃を欲してやってきたんだ」
え…
「私を?」
「李土は、お母様を愛していたけれどお母様が愛したのはお父様だったから。瑠璃はお母様とよく似ているからね。」
「だから、瑠璃を自分のモノにしようとしたんだ」
そんな、じゃあ、その李土さんにお父様は殺されてしまったの?
「そんな…」
「その襲ってきた李土を追い返そうとして悠は死んだんだ」
「じゃあ、私のせいでお父様は死んでしまったの?」
そ、んな…
「それは違うよ瑠璃。お母様はふたりを人間にしたいと思っていて命を使おうとしていたんだ。そして2人は充分すぎる長い時を生きていたから、だから悠はわざと命を落としたんだ」
「え?」
「お母様を一人で行かせないように」
「そ、うだったんだ…」
「そしてその時、李土は肉片になるまでバラバラになったけど死んではいなかった」
え、
「なんで、死ななかったの…?」
枢はすこしためらったように言った
「僕を目覚めさせた人だからだよ」
え、…?
「どういうこと?」
「僕は玖蘭本邸の、地下に眠っていた玖蘭の始祖だよ。」
え…
「じゃあ、本当のおにいさまではないの?」
「そうだね。」
枢はつづけた
「その眠っていた僕を李土が瑠璃のまだ生まれたばかりの赤子の本当の兄を、殺してその血をぼくにつかって目覚めさせたんだ。」
「けど、何千年も眠っていた僕には赤子の血だけでは体を再生することは難しかった。だから体を赤子まで戻し樹里と悠に育てて貰っていたんだ」
すべてを話し終えると枢はこちらを悲しそうな目で見ると
「僕を嫌いになった?」
ときいてきた。
そんなの
「嫌いになるわけないじゃん!!私の大切な枢には変わりないよ」
すると枢はわたしをだきしめて
ありがとうと呟いた
「瑠璃、そしてその李土が元老院の手によってまた復活したんだ。」
「え…そんな」
「だから、いつ瑠璃を奪いにやってくるか分からない。」
「そんな…どうすれば」
「僕はもうあの頃の僕じゃないからね。」
え?
「どういうこと?」
「あのころはまだ対ヴァンパイア用の武器が使えずに、力を使って戦うことしか出来ず、完全に倒すことはできなかったけど今なら対ヴァンパイア用の武器を使って完全に倒すことが出来る。」
「枢…」
「安心して、僕が守ってあげる」
「うん…」
この日の夜は枢にしっかりハグされて寝むりについた
明後日から学校か…
お姉ちゃんや零に久しぶりに会える