私のおにいちゃん
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*霧夜*
「お~い!待たせたか?」
*ユリ*
「ったく遅いわよ!で?なんなの用は。
1時に呼び出すんだから、よっぽどの理由があるんでしょうね?」
*霧夜*
「あぁ。その前に、一つだけ確認しとく。
ゼロの、零斗のためなら、なんでもできるか?どんなことでも内緒に。」
*ユリ*
「えっ?」
*霧夜*
「大事なことなんだよ。」
ユリはしばらく答えなかった。
無理もないだろう。
正直ユリには期待していない。
嘘がつけないユリに、
こんなことを訊くのは間違いだ。
*ユリ*
「・・・
零斗のためなら、できるわ。なんでも。」
あぁ。やっぱりユリは、 ゼロのことが。
俺はよりにもよって、
どうしてゼロを助けようなんて。
*霧夜*
「犯罪に加担したとしても?」
*ユリ*
「ええ。それが、零斗のためなら。」