私のおにいちゃん



*ユリ*
「…知ってたよ。ゴメン。でも私、」





*霧夜*
「別にいいんだよ。
お前がゼロのことをどう思ってるかくらい分かる。」




*ユリ*
「霧夜のことは大好きだけど、恋愛とか、
そういうのじゃないの。友達として。」




*霧夜*
「分かってるって。何も言うな。
ゼロもなんだかんだ言って、
本当はお前のことが好きなんだから。
俺は反対してない。」




いつもなら、自分の言ったことを心の中で




反対するだろう。




でも、不思議と反対できない。




俺は、本当にゼロとユリが




一緒になることを望んでいるのか?




*ユリ*
「そう、ありがと。
で、どうすれば零斗を助けられるの?」




*霧夜*
「まだなにも考えてない。
ユリが信用できるか確かめたかったんだ。」




*ユリ*
「あんた、
好きな女の事くらい信用しなさいよ。」




信用、か。




俺は、誰も信用出来なくなってたんだな。




*霧夜*
「信用するよ。
じゃ、また今度。何か考えたら連絡する。」




*ユリ*
「あっ、うん。じゃあね。」


< 133 / 261 >

この作品をシェア

pagetop