私のおにいちゃん
*ユリ*
「…知ってたよ。ゴメン。でも私、」
*霧夜*
「別にいいんだよ。
お前がゼロのことをどう思ってるかくらい分かる。」
*ユリ*
「霧夜のことは大好きだけど、恋愛とか、
そういうのじゃないの。友達として。」
*霧夜*
「分かってるって。何も言うな。
ゼロもなんだかんだ言って、
本当はお前のことが好きなんだから。
俺は反対してない。」
いつもなら、自分の言ったことを心の中で
反対するだろう。
でも、不思議と反対できない。
俺は、本当にゼロとユリが
一緒になることを望んでいるのか?
*ユリ*
「そう、ありがと。
で、どうすれば零斗を助けられるの?」
*霧夜*
「まだなにも考えてない。
ユリが信用できるか確かめたかったんだ。」
*ユリ*
「あんた、
好きな女の事くらい信用しなさいよ。」
信用、か。
俺は、誰も信用出来なくなってたんだな。
*霧夜*
「信用するよ。
じゃ、また今度。何か考えたら連絡する。」
*ユリ*
「あっ、うん。じゃあね。」