私のおにいちゃん



*****




一時間後に霧夜とユリが来た。




*ユリ*
「妹の事、霧夜から聞いたわよ。
まだ、病院には話してないけどね。」




*零斗*
「……」




*霧夜*
「なあ、ゼロ。」




*零斗*
「……」




俺はひたすら黙った。口を利きたくない。




*霧夜*
「悪いとは思ってる。でも、現にキラちゃんはお前を監禁してたんだしさ。」





あれは、監禁じゃない。




キラは俺に気を使ってくれたんだ。




*ユリ*
「ねえ、零斗、答えなくていいから聞いて?

私たちは、
本当にあんたのことを心配してるの。
あんたのためを思ってやった。
零斗に嫌われることくらい
分かってたけど、あんたが助かるなら、
構わないと思って。」




*零斗*
「……
二人が心配してくれてるのは、
感謝してるけど、でも…」




*霧夜*
「………」




キラが、あまりにも可哀想すぎる。




病院に行かせられるなんて。




人見知りの激しいキラに、




果たして耐えられるだろうか?




果たして、キラに。


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