私のおにいちゃん
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一時間後に霧夜とユリが来た。
*ユリ*
「妹の事、霧夜から聞いたわよ。
まだ、病院には話してないけどね。」
*零斗*
「……」
*霧夜*
「なあ、ゼロ。」
*零斗*
「……」
俺はひたすら黙った。口を利きたくない。
*霧夜*
「悪いとは思ってる。でも、現にキラちゃんはお前を監禁してたんだしさ。」
あれは、監禁じゃない。
キラは俺に気を使ってくれたんだ。
*ユリ*
「ねえ、零斗、答えなくていいから聞いて?
私たちは、
本当にあんたのことを心配してるの。
あんたのためを思ってやった。
零斗に嫌われることくらい
分かってたけど、あんたが助かるなら、
構わないと思って。」
*零斗*
「……
二人が心配してくれてるのは、
感謝してるけど、でも…」
*霧夜*
「………」
キラが、あまりにも可哀想すぎる。
病院に行かせられるなんて。
人見知りの激しいキラに、
果たして耐えられるだろうか?
果たして、キラに。