私のおにいちゃん
*霧夜*
「ゼロは、今感情が、、」
*ユリ*
「分かってる。分かってるけど、でも…」
*霧夜*
「辛い、よな。」
*ユリ*
「えっ?」
ユリはキョトンとした顔をした。
*霧夜*
「分かるよ。俺も、
ゼロにああ言われたとき、、つらかった。」
俺はユリの隣に腰を下ろし、
ユリの様子をうかがった。
*霧夜*
「でもさ、あいつも辛いんだよ。きっと。
キラちゃんにとってゼロは歯止めだった
けど、ゼロにとってキラちゃんは、
心の支えだったわけだし。」
だが、あんな態度をとられると、
胃がムカムカする。
*霧夜*
「あいつは、もう、壊れてたんだ。
キラちゃんがいたからこそ、
平静でいられた。
キラちゃんがいない今は、
心が崩壊してきている。」
*ユリ*
「そんな…
じゃあ、私たちがやったことって、」
*霧夜*
「意味がなかったんだよ。
何をしても、あいつは壊れる。
キラちゃんがいても、いなくても。
手遅れ、だったんだな。」