私のおにいちゃん
ゼロは、お人好しなんかじゃなく、
心が壊れた証拠だったんだ。
何も変わらない人間なんていないのに。
俺は気付かなかった。
変わらなすぎるゼロは、
精神がズタズタだっただけ。
俺はそれをかわしてきた。
あいつのことがムカついて、
心の中で悪態付いてた。
変わらずに良い奴なままのあいつに
嫉妬して、上手くかわしてて。
変わらないことに違和感を
持てば良かったのに。
*ユリ*
「零斗のためだと思ってたのに。
余計なことしかしてない。私、最低ね。」
*霧夜*
「もとはと言えば、
俺が言い出したのが悪かったんだよ。
悪いのは、俺なんだ。
俺が、すべて、悪かったんだ。」
親友なのに、気づいてやれなかった。
あの時、俺はゼロを助けるためだなんて
いったけど、本当はあいつの妹から
離れたかっただけかもしれない。
*ユリ*
「どうやったら、助けられるの?
ねえ、霧夜!
あいつは、零斗は本当に壊れちゃう!」