サソリちゃん
5
久々に友だちができた。
友だち、と呼べるか分からないけれど、もしかしたら、騙されているのかもしれないけれど。
わたしは、彼を友だちだと思っている。
「サソリちゃん、見て! あっちで魚が泳いでるよ!」
嬉しそうに無邪気に微笑む彼。
それは微笑ましい光景で。
つられて笑いそうになったが、すんでのところでこらえる―――――――いつまでこうしていられるか分からないから。
「どうしたの?」
……おっと。彼を不審に思わせてしまった。
すぐに私は彼のそばに駆け寄る。
「ううん、なんでもないよ」
「そっか。 じゃ、一緒にこの川で遊ぼ!」
---そうして今日もあっという間に過ぎていく。