ハイスクール・カンパニー
ケンサクは依頼のあった、食品会社を訪ねていた。
「譲くーん、資料はこれでいいの?」
広報担当のお姉さんと呼んでる女人が、声をかけてくる。
ケンサクは、自分の風貌が他のメンバーのようだったら、と思う。
伊都にからかわれているように、僕は背が低い。
最近、やっと身長は伸びて伊都より大きくなってきたのに、それでもまだ幼いってバカにされる。
童顔でいつまでも中学生に見えてしまうことが腹立たしい。
ケンサクは、出てきた担当者に挨拶した。
三十代の男性だ。
早速まとめた事を手短に話す。
データも、プレゼンも完璧で、討論では負けないのに、日本の企業化は顔を見ただけで、僕をお坊ちゃま扱いする。
「じゃ、受け取っておくね」
やる気なさそう……
理貴に伝えておかなきゃ
ケンサクは、この企業だけでなく、
自分の一族の企業と取引のある、会社の広報課に出入りしている。
このごろは、自分で上げた実績だけで、まったく知らない会社にも、必要とあらば出かけていき、契約を結んでくることもある。
それなのに、メールでのやり取りから、実際に出向いて顔合わせをすると、何だ、子供かと、途端に態度が変る。