ハイスクール・カンパニー


それでも、ケンサクはわざわざ企業に出向く必要があった。

会社が所有する情報は、極秘情報だけではない。

一般に公開されている情報でも、中には有益なものもたくさんある。

インターネットでも、情報収集できるけど、なるべく、直接顔を見てやりとりしたいと思っている。

それに、僕はハイスクールカンパニー社に入社して日がまだ浅い。

最初は理貴について彼が求めるレベルの情報を集めるまで苦労した。


これでも、学業はずっと上位5%以内、飛び級で高校を卒業して理貴と同じ大学に入るつもりでいた。

なのに、理貴は大学院に進まず、日本に行くと言い出した。

ケンサクは、どんな教授の下で勉強するよりも、理貴の元で実際のビジネスに触れながら、経験をつんだほうが自分にとってプラスになると思っている。

だから、自分も理貴の後を追って、日本に行く事に迷いはなかった。
でも、日本語は想像以上に難しかった。


猛勉強で、話すことは出来るようになったけど、文字を書くのが一苦労だった。

こんなにも、努力するなら、アメリカに残ってれば、よかった!!

いったい、僕は何やってんだか。
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