ハイスクール・カンパニー
理貴は、お昼ごろになって、起き上がれるようになった。
夕方、伊都が戻ったらケイタリングサービスを頼もう。
彼女が帰ってすぐに食べられるように。
彼女が普段食べていないものがいいと思う。
フランス料理とか。
今日中に持ってきてもらえる店を頼もう。
「理貴様?お加減はいかがですか?」
「柏木?何の用」
柏木は理貴が生まれる前から、内藤家で働いている。
「朝のうちに電話をかけたら、お加減が悪いとお聞きしましたので、今からそちらに伺おうと思いまして」
何度か電話がかかってきてたのは知っていたが、寝ている間に伊都がでたのだろうか?
「もう、大丈夫だよ。看病もしてもらってる」
「先程、出られた女性ですね」
「柏木?だから、来なくていいよ。わかったろ?」
「勿論です。私も無粋な真似はいたしません。ですが、近いうちに……」
「わかった、わかった。好きにしろ。じゃあ、切るぞ」