ハイスクール・カンパニー
「伊都ちゃんは、理貴の何?彼女になりたいとか?」
伊都は、違いますとはっきり否定した。
「来栖、よせ」理貴が遮った。
「来栖さん、ご心配なく。今日は理貴さんにごほうびの食事を用意してもらってるだけです」
「へぇ、そうなんだ。まったく下心はありません、てポーズだけは取るんだ」
「ポーズだなんて」
伊都は、来栖と理貴の関係がどんな間柄なのか分かった気がした。
分かると、二人の関係をほほえましく思う。
「来栖、いい加減にしろ」
「伊都さん、今日はもう帰るんだろう?」
「はい、理貴さんを寝かせてから帰りますから。お構いなく」
「送っていくからね」
「いや、俺が行く」理貴が言い出した。
「ダメ。お前具合が悪いんだろ?」
「ベッドに入ったら、眠るまで横にいますから。後のことは心配しないでください」
「来栖は、送らなくていいぞ。何ならタクシーを呼ぶから」