ハイスクール・カンパニー
「伊都、何だ。これっぽっち?」
「これっぽっち?」
伊都にとっては十分大金だった。
伊都は頭にきて、ケンサクを捕まえた。
そして彼の明細を取り上げた。
「一、十、百、千、万…」言葉が出なかった。
ケンサクがもらってる金額は、伊都よりも一桁多かった。
確かにケンサクは、伊都よりも長い時間働いてる。
語学もできるし、企業とのコネもある。
でも、同じ年の同級生で、ケンサクの何がそんなに優れているか分からない。
「バカ、何してんだ」ケンサクはユウに怒られて伊都の明細を返した。
「気にするな」ユウは優しく伊都の背中をたたいてやる。