ハイスクール・カンパニー
「大丈夫?うまく行ってないみたいだね」

「はい。忙しくなってからずっと会えてないので」

「そっか。君も働きすぎなんじゃない?」

「いいえ。個人的な事情でそうしてもらっているので、理貴さんには言わないで下さい」

「だって、こんなに、彼氏放っておくと、彼氏離れちゃうよ」

「仕方ありません」

「ずいぶんドライだね」
来栖はちょっと言い過ぎたと思った。演技ではない、彼女が本心から涙を流したから。

「私には、透より、家族を優先させないといけない理由がありますから」

「生活のために働いてるの?」

「弟の学費のためです。父の稼ぎでは、生活するのが精一杯で」

「あ~そう、君の分も学費を稼がないとな」

「いいえ。私は、高校を卒業しても、ここで働きたいです」

「ああ…それは無理だよ。君。理貴から何も聞いてない?」

「ええっ?」

「ハイスクールカンパニー社は、あと一年と少しで解散になるよ」

「どういうことです?」

「なんにも聞いてなかった?今日は、その話もしようと思って、出勤前の君と話そうと思ってここにきたんだ」

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