ハイスクール・カンパニー
「あの…」
「君が来てから、会社は大きく変わった。もちろん、俺自身もね」
「そんなことありません。変わったとしたら、理貴さんが変わりたいと思ったからです」
「そうだね。そうに違いないね」
「はい」
「ところで、体調は回復した?じゃあ、テストが終わったら、また、朝に来てくれるかな?」
「はい。大丈夫です」
「そんなに簡単に引き受けてもいいのかい?君が付き合ってる相手は、また反対する?」
「弟達がかなり、優秀な仕事をしてくれますから、私少し手が空くんです。それから、彼とはしばらく話してませんから…」
別れましたとは言えなかった。
「そうなの?俺のせい?」
理貴が心配そうにのぞき込む。
「いいえ。私の家の事情のためです。理貴さんは、関係無いですよ」
「そう…この埋め合わせは、十分する」
「もう、十分いただいてます。ありがとうございました」
伊都は、深くお辞儀をして出て行こうとした。