ハイスクール・カンパニー


「まだ、何か不安?あっ、危ない!!」


狭い道路を勢いよく車が通り過ぎた。


ケンサクは、伊都の体を抱き寄せて自分の胸の中におさめた。


自分の腕の中にいる伊都は、腕の中でじっとしている。


相手の鼓動が、自分の肌に伝わってくる。


ケンサクは、ぎゅっと伊都を抱きしめていた。


いつもこのくらい、僕に従順だといいのに。


「危なかった」

「うん…」


腕の中の伊都は、自分に抱かれていて、小さな小動物みたいだとケンサクは思った。


「ケンサクさん?」

「ああ、ごめん」

早く、腕を離さないと彼女が変に思う

< 195 / 224 >

この作品をシェア

pagetop