ハイスクール・カンパニー
「ジョー、それはもちろん、恋に決まってるじゃないの!で、誰よ。誰よ。その相手って…」
「違う、そんなんじゃないってば」
「言ってごらんよ。お姉様が力になってあげるから」
ケンサクは、葵から逃げるようにドアの方に向かった。
後ろで声がした。
「葵なんかに相談すると、余計ややこしくなるぞ」
「クリス!!」
いつのまにか来栖がみんなの輪の中に入っていた。
「ジョー、何度言ったらわかる?俺は、来栖だ」
「アメリカの友達は、みんなクリスっていうじゃないか」
来栖がケンサクの頭をぐしゃぐしゃする。
「ケンサクさんて名前じゃないんですか?」伊都が笑を誘う。
「僕は、ケンサク何て名前じゃない!!クリス、ジョーも違うんだって。本当の名前はゆずる(譲)っていうんだ」