ハイスクール・カンパニー
「取っ掛かりとしては、いいんじゃないかな。あの様子じゃ海外には行かないって言うだろうわかったよ。ありがとう」
「外堀を埋めてるのか?」来栖が楽しそうに笑う。
「なんの話?」
「あの子の周りを逆らえないようにしてるじゃないか」
「気のせいだ。たった女の子一人のために、こんな大金つかうか」
「でも、彼が弟君じゃなければ、構わなかっただろ?」
「それは、そうだ」
「どうするんだ?あと2年足らずだぞ」
「来栖?なんか誤解しているみたいだが……
2年でアメリカへもどるかどうかは、決めてない」
「決めてないって……」
「戻りたいなら、一人で戻れよ」
「それ、本気か?」
「本当だ」
「親父さんとの約束どうするんだ?」
「関係ないよ。俺は俺」