ハイスクール・カンパニー
彼らの中では、話をしないやつは、存在感が薄いと判断されるけど、巻き込まれるのだけはごめんだ。
ここで、メンバーと過ごすうちに、ユウも段々、自己主張をするということがどういうことか分かってきた。
葵は、ただ、周りに怒りをぶつけているのではない。
自分の考えが、どうしたら認められるか、説得を試みているのだ。
でも、やっぱり自分は、日本人だとユウは思う。
こんなに真っ赤にならなくても、自分の考えを相手に伝えて、素直にどう思う?って聞けばいいのに。
葵が、一通り意見を言い終わったところでやれやれと、ユウも仕方なく口を挟む。
早くても遅くてもいけない。
ユウは、そのタイミングがようやくわかってきた。
葵と理貴の間に入って言う。
「ちょっと、落ち着けよ。もう一度アレンは、なんていってきたのか説明しろよ」
ユウが葵を落ち着かせようとする。
この頃は、葵が暴走すたびに、こんな風に自分が対応する羽目になっている。