ハイスクール・カンパニー
「じゃあ、理貴に聞いたら?理貴が最終的に、それでいいって許可を出したんでしょ?」
葵は、理貴がどんな反応するかなんて、お構いなしに言いたいこと言える数少ない人間だ。
理貴、この男も、葵が唾飛ばして向かって来ても、涼しい顔で話を聞くだけで、相手がわめこうが何しようが、自分の考えを変えることはしない。
ここでは、理貴の存在は絶対だから。
「音はもちゃんと、とってある?」
ほら、理貴は譲歩なんて考えてない。
オリジナルは消してないよな、と理貴が確認する。
俺に振るなよ、と思いながらユウは答えた。
「オリジナルならちゃんと保存してるよ」
「なら…」
葵がバシーンとテーブルを叩く。
「うるさい!!これは、私と彼の問題。口出ししないで」
葵がとうとう理貴に切れた。
もうダメだ。止められない。
二人で気のすむまで喧嘩してくれ。
ユウは一歩引き下がる。