ハイスクール・カンパニー
本当のことを言えば、休みのうちにたまった家の仕事を片付けたい。
でも、そう言ってしまうと、透を傷つけてしまう。
「そうだな、どうしよう」
前半少しだけ働けば、その分出かける資金になる。
「思いつかないのか?」
「そうだ。朝の早い時間は、掃除をしにオフィスに行くことにしたから」
「何だよ、それ。結局仕事入れてるじゃないか」
透があきれて答える。
「ごめん、透。私やっぱり遊園地とか水族館には行けない…」
出来るなら、私は行かなくてもいいから弟二人を連れて行ってあげたい。
「俺といるより、仕事の方がいいのか?」
「そんな人どこにいるのよ。誰だって遊びに行きたいに決まってるじゃないの!そのくらい分かってよ」
「伊都、分かったから落ち着いて」
透がなだめにかかる。
「私のしたいこと言うわ。遊園地に行って食事して交通費にお金をかけるなら、陸と海に美味しいもの食べさせたいの。だから、透は友達と遊びに行って」
そんな言い方するつもりじゃなかった。
伊都は泣きたくなった。
「伊都、ごめん。こんなこと言わせて」
「一緒に居られればいいんだ。どこかに行きたいより、伊都といたい」