あの空の君へ
第七章
♠それぞれ別に
香side
俺は結衣とずっと一緒にいるために社長になることを諦めた。
ずっと約束されていた俺の将来。
一度は俺も了承した話。だから就職もすぐに決まった。
それは、全部社長のおかげ。
社長は俺の恩人。だから俺は時期社長になるためにこの会社に入った。
そうなるには社長の娘である律と結婚しなければいけなかった。
でも、俺たちは好きあったことは一度もなく律は琉が好き。
琉もきっと同じ気持ちだろう。お互い気付いてないけど。
これから結衣と結婚して色々お金がかかってくる。もし子供が出来たらもっとかかるだろう。
妊娠しているときは絶対に働かさせられない。妊娠初期段階だとしても。
でもこのまま社員だったらきっと生活が裕福ではなくなるだろう。
「俺は、どうしたらいいんだ…。」
俺は頭を抱えた。今、結衣とは距離をおいている。一人で考えなければいけない問題だと思ったから。
律と社長と話し合った結果今回の結婚はなしになった。その代わり俺の将来は約束されなくなった。
そんなことを思いながら家に戻ると、結衣が大雨のなか傘もささずケータイを握りしめ家の外にある門で待っていた。
俺はビックリして急いで駆け寄り声をかけた。
「どうしたんだよ!」
「よかったぁ。」
結衣は泣いているのか雨で分からなかったけど、声は震え目が充血いていたからきっと泣いていたんだろう。
ここで結衣が待ってた理由。
それは、新は結衣が帰りを楽しみに待っていたときに帰らぬ人となった。
だから今回も不安になったらしい。
それを知った俺は、
「大丈夫だよ。俺は、アイツみたいに急にいなくなったりしないから。」
少し微笑みながらいった。それでも結衣は不安そうに俺を見つめた。
「本当ですか?」
「あぁ、さぁ。中に入ろう。俺が拭いてやるから。」
コクンとうなずいた結衣の肩を抱き中へ入った。
結衣side
お風呂を上がった私は香さんに髪を拭かれながら、ずっと心の奥に引っ掛かっていたことを聞いた。
「どうやって、あの社長を納得させたんですか?」
香さんの手が一瞬止まった。そしてまた動き出す。
「お前は知らなくていいの。」
「どうしてですか?」
「いーから、はい。終わり。寒くないか?」
「あ、はい。大丈夫です。」
「じゃあ俺も、風呂入ってくるから。」
「…はい。」
香さんはバスルームへと歩いていった。
香さんはまた私に隠し事をした。
香さんが上がる頃、夕飯の準備をし終え待っていた。
「ふぅー、いいお湯だった。温まるねぇ。」
「こ、香さん!!!」
香さんは腰にタオルだけ巻き、上半身裸で出てきた。
「ん?なに?」
「なに?じゃないですよ!ふ、服着てください!」
「あ?あぁ、わりぃな。俺ら男ばっかりだったから。」
「そうですよね。っじゃなくて!服!着てください!」
「あぁ」
はぁー、ビックリした。私は半泣きになりながら心の中でため息をついた。
香さんといると心臓がいくつあっても足りない気が…。
香さんが席につき
「お、ウマそうだな。」
「ありがとうございます。」
「つか、さっきのあれテンパりすぎじゃない?」
「そんなことないですよ!」
言われるだけで、思い出して熱くなる。
「なーに、赤くなってんの?結衣ちゃん」
「か、からかわないでください!」
「ははっ!」
でも、香さんが笑ってると私も嬉しくなる。今日のご飯は顔が真っ赤なまま食べました…。
翌日、私は香さんと電車に乗ってる途中あることを思い出した。
「あの。香さん。田井中さんと結婚しないってことは社長には…。」
「あぁ、なれないよ。」
「いいんですか?それで。」
「お前の気にすることじゃないから」
そういって香さんは私の頭の上にぽんと手をおいた。
このとき私は見逃さなかった。
香さんが暗い顔をしていたこと。
「結衣ー。メシ行くぞー。」
お昼時。社内に香さんの声が響く。
それとともに女子社員全員の鋭い視線が私に向けられた。
こ、怖い。
「香さん!社内ではそんな気軽に呼ばないでください!」
私は香さんに近づき小声で言った。
「なんで?」
「色々あるんです。」
「分かった、分かった。んじゃあ、メシはなしね?」
「あ、いや…。それは…。」
「ん?どっち?」
「…行きたいです。」
香さんはいつも私をいじめます。
「でもさー。なんで付き合ってる事バラしちゃいけいないの?」
「だから、色々あるんです。」
「最近俺にに隠し事多くない?」
「そんなことないですよ。」
「じゃあ、質問。お前の好きな人は?」
「え!?そんなこと…。」
「ほら、隠し事。」
「言わなくてもわかるじゃないですか!」
「えー、分かんなーい。」
香さんは子供みたいに言った。
「…さんです。」
「ん?聞こえなーい。」
「香さんが好きです!」
私は店の中全部に聞こえるくらいの大声で叫んでしまった。
すると香さんは一瞬「ククッ」と笑い私の耳元で小さく
「よくできました。」
と囁いた。
「香さん!これどうすればいいですか?」
「あー、これは早めに連絡入れといたほうがいいよ。」
「ありがとうございます!」
「香さん。こっちの書類にサインください。」
「はーい。」
香さんは仕事をしているときとても…いい顔をする。
どんなに忙しくても仕事で大きなミスをしても感情に任せて怒ることは絶対にない。
きっと香さんは仕事が好きなんだ。何よりも。
社長に向いてる。私が邪魔をしてるんだ。本当はこんな立場だけで終われるはずないんだ。
「香ー!」
「はーい。律か。」
「何よ。私で悪かったわね。ってかそんなことより社長が呼んでるわよ。あの会社との契約のことで。」
「あぁ、今行く。」
香さんは律さんと一緒に話しながら社長室へ入っていった。
香side
俺は結衣とずっと一緒にいるために社長になることを諦めた。
ずっと約束されていた俺の将来。
一度は俺も了承した話。だから就職もすぐに決まった。
それは、全部社長のおかげ。
社長は俺の恩人。だから俺は時期社長になるためにこの会社に入った。
そうなるには社長の娘である律と結婚しなければいけなかった。
でも、俺たちは好きあったことは一度もなく律は琉が好き。
琉もきっと同じ気持ちだろう。お互い気付いてないけど。
これから結衣と結婚して色々お金がかかってくる。もし子供が出来たらもっとかかるだろう。
妊娠しているときは絶対に働かさせられない。妊娠初期段階だとしても。
でもこのまま社員だったらきっと生活が裕福ではなくなるだろう。
「俺は、どうしたらいいんだ…。」
俺は頭を抱えた。今、結衣とは距離をおいている。一人で考えなければいけない問題だと思ったから。
律と社長と話し合った結果今回の結婚はなしになった。その代わり俺の将来は約束されなくなった。
そんなことを思いながら家に戻ると、結衣が大雨のなか傘もささずケータイを握りしめ家の外にある門で待っていた。
俺はビックリして急いで駆け寄り声をかけた。
「どうしたんだよ!」
「よかったぁ。」
結衣は泣いているのか雨で分からなかったけど、声は震え目が充血いていたからきっと泣いていたんだろう。
ここで結衣が待ってた理由。
それは、新は結衣が帰りを楽しみに待っていたときに帰らぬ人となった。
だから今回も不安になったらしい。
それを知った俺は、
「大丈夫だよ。俺は、アイツみたいに急にいなくなったりしないから。」
少し微笑みながらいった。それでも結衣は不安そうに俺を見つめた。
「本当ですか?」
「あぁ、さぁ。中に入ろう。俺が拭いてやるから。」
コクンとうなずいた結衣の肩を抱き中へ入った。
結衣side
お風呂を上がった私は香さんに髪を拭かれながら、ずっと心の奥に引っ掛かっていたことを聞いた。
「どうやって、あの社長を納得させたんですか?」
香さんの手が一瞬止まった。そしてまた動き出す。
「お前は知らなくていいの。」
「どうしてですか?」
「いーから、はい。終わり。寒くないか?」
「あ、はい。大丈夫です。」
「じゃあ俺も、風呂入ってくるから。」
「…はい。」
香さんはバスルームへと歩いていった。
香さんはまた私に隠し事をした。
香さんが上がる頃、夕飯の準備をし終え待っていた。
「ふぅー、いいお湯だった。温まるねぇ。」
「こ、香さん!!!」
香さんは腰にタオルだけ巻き、上半身裸で出てきた。
「ん?なに?」
「なに?じゃないですよ!ふ、服着てください!」
「あ?あぁ、わりぃな。俺ら男ばっかりだったから。」
「そうですよね。っじゃなくて!服!着てください!」
「あぁ」
はぁー、ビックリした。私は半泣きになりながら心の中でため息をついた。
香さんといると心臓がいくつあっても足りない気が…。
香さんが席につき
「お、ウマそうだな。」
「ありがとうございます。」
「つか、さっきのあれテンパりすぎじゃない?」
「そんなことないですよ!」
言われるだけで、思い出して熱くなる。
「なーに、赤くなってんの?結衣ちゃん」
「か、からかわないでください!」
「ははっ!」
でも、香さんが笑ってると私も嬉しくなる。今日のご飯は顔が真っ赤なまま食べました…。
翌日、私は香さんと電車に乗ってる途中あることを思い出した。
「あの。香さん。田井中さんと結婚しないってことは社長には…。」
「あぁ、なれないよ。」
「いいんですか?それで。」
「お前の気にすることじゃないから」
そういって香さんは私の頭の上にぽんと手をおいた。
このとき私は見逃さなかった。
香さんが暗い顔をしていたこと。
「結衣ー。メシ行くぞー。」
お昼時。社内に香さんの声が響く。
それとともに女子社員全員の鋭い視線が私に向けられた。
こ、怖い。
「香さん!社内ではそんな気軽に呼ばないでください!」
私は香さんに近づき小声で言った。
「なんで?」
「色々あるんです。」
「分かった、分かった。んじゃあ、メシはなしね?」
「あ、いや…。それは…。」
「ん?どっち?」
「…行きたいです。」
香さんはいつも私をいじめます。
「でもさー。なんで付き合ってる事バラしちゃいけいないの?」
「だから、色々あるんです。」
「最近俺にに隠し事多くない?」
「そんなことないですよ。」
「じゃあ、質問。お前の好きな人は?」
「え!?そんなこと…。」
「ほら、隠し事。」
「言わなくてもわかるじゃないですか!」
「えー、分かんなーい。」
香さんは子供みたいに言った。
「…さんです。」
「ん?聞こえなーい。」
「香さんが好きです!」
私は店の中全部に聞こえるくらいの大声で叫んでしまった。
すると香さんは一瞬「ククッ」と笑い私の耳元で小さく
「よくできました。」
と囁いた。
「香さん!これどうすればいいですか?」
「あー、これは早めに連絡入れといたほうがいいよ。」
「ありがとうございます!」
「香さん。こっちの書類にサインください。」
「はーい。」
香さんは仕事をしているときとても…いい顔をする。
どんなに忙しくても仕事で大きなミスをしても感情に任せて怒ることは絶対にない。
きっと香さんは仕事が好きなんだ。何よりも。
社長に向いてる。私が邪魔をしてるんだ。本当はこんな立場だけで終われるはずないんだ。
「香ー!」
「はーい。律か。」
「何よ。私で悪かったわね。ってかそんなことより社長が呼んでるわよ。あの会社との契約のことで。」
「あぁ、今行く。」
香さんは律さんと一緒に話しながら社長室へ入っていった。