あの空の君へ
♠消えた光
香side
これで3日目。結衣が俺の前から姿を消してから。
仕事も休み、着替えもせず、髪もボサボサ。
まるで自分とは思えない姿を映し出す洗面台の鏡。
目を閉じればあいつの笑顔が見える。
開けば現実へと引き戻される。
「お前は、どこにいる…。」
不意に出る心の底の声。そろそろ仕事にでないといけない。
結衣のいない会社。
俺にとっては色のない世界。
いつも見ていた。怒ったクライアントの人に電話で対応しているときのテンパり方。
他の奴に教わってるときの真剣な顔。正直嫉妬してないわけじゃないけど、家に帰ったらその時のことを笑顔で話すから、俺の大好きなあの笑顔で話すから怒れなくなる。
あの笑顔が忘れられない。
翌日、仕事が手につかず休憩室でコーヒーを飲んでいると
「こーうさんッ!」
女子社員が話しかけてきた。
「ん?」
「今夜、食事に行きませんか?」
「悪いが、結衣が…。」
ハッと気づく。
「結衣?」
この続きは「家で飯作って待ってるから。」もう、待ってない。
「香さん?」
「あぁ、ごめん。いいよ。行こうか。」
「わぁーい。ありがとうございます。」
「じゃあ、仕事終わったら下で待ってるから準備できたらおいで。」
「はいっ!」
俺は自分を見失った。
その後もたくさんの女と遊んだ。抱くときは誰でもよかった。
家にも帰らなくなった。女とホテルにいるほうが家にある結衣との思い出を見なくてすむから。
辛い思いをしなくていい。逃げることしかできなかった。無意味だと分かっていても…。
俺は、俺は…弱かったんだ。
香side
これで3日目。結衣が俺の前から姿を消してから。
仕事も休み、着替えもせず、髪もボサボサ。
まるで自分とは思えない姿を映し出す洗面台の鏡。
目を閉じればあいつの笑顔が見える。
開けば現実へと引き戻される。
「お前は、どこにいる…。」
不意に出る心の底の声。そろそろ仕事にでないといけない。
結衣のいない会社。
俺にとっては色のない世界。
いつも見ていた。怒ったクライアントの人に電話で対応しているときのテンパり方。
他の奴に教わってるときの真剣な顔。正直嫉妬してないわけじゃないけど、家に帰ったらその時のことを笑顔で話すから、俺の大好きなあの笑顔で話すから怒れなくなる。
あの笑顔が忘れられない。
翌日、仕事が手につかず休憩室でコーヒーを飲んでいると
「こーうさんッ!」
女子社員が話しかけてきた。
「ん?」
「今夜、食事に行きませんか?」
「悪いが、結衣が…。」
ハッと気づく。
「結衣?」
この続きは「家で飯作って待ってるから。」もう、待ってない。
「香さん?」
「あぁ、ごめん。いいよ。行こうか。」
「わぁーい。ありがとうございます。」
「じゃあ、仕事終わったら下で待ってるから準備できたらおいで。」
「はいっ!」
俺は自分を見失った。
その後もたくさんの女と遊んだ。抱くときは誰でもよかった。
家にも帰らなくなった。女とホテルにいるほうが家にある結衣との思い出を見なくてすむから。
辛い思いをしなくていい。逃げることしかできなかった。無意味だと分かっていても…。
俺は、俺は…弱かったんだ。