あの空の君へ
♠幸せそうなお前
香side

もう少しで琉の会社に着くころから、登校する小学生の姿が見え始めた。
美羽や空もそろそろ小学生だったかな。見たかったな。
ランドセルに背負われてる感じの2人。かわいいだろうな。
きっと新も思ってるんじゃないかな。
琉の会社が見えてきた。すると、
!?結衣!!
体に電気が走ったような衝撃が来た。俺の探してきた人。愛しい人。小学生2人を見送っている人。それはきっと、いや。絶対に美羽と空。いつの間にか大きくなっていた。
俺は勇気をもって近づこうとする。
…。俺の足が止まる。
ここは琉の会社。なんで。
案の定中から琉が出てくる。
「あ、ぱぱー!いってきまーす。」
「いつも言ってるのに…。」
と言ってほほ笑んだ。
「…ぱぱ。」
俺は世界で1人取り残された気分になった。
でも、俺の好きなあの笑顔がそこにはあった。
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