あの空の君へ
♠誤解
結衣side

琉さんのところに来てから数年がたったころ、何気なく子供たちも見送っていた。
「美羽、空。気を付けてね。」
「はーーーい!」
「横断歩道は?」
「よくみてわたる!」
「はい、よくできました。」
すると中から琉さんが出てきた。
「琉さん。お仕事終わったんですか?」
「あぁ、それから外の空気を吸いにね。」
「ぱぱー!」
美羽と空がいつものように琉さんのもとに走っていく。
「いつも言ってるのにパパじゃないって。」
琉さんはほほ笑みながら腰を低くした。
「気を付けていくんだぞ?」
「はーい!]
子供を送り出した後、中へ戻ろうとした時。
!!!目の前には香さんの姿が。
「こ…さん。」
「結衣…。」
私はこの場から立ち去ろうとする。すると
ドンッ!
前には誰かの胸。大きな体、これは琉さん。
私は前を見ずに走り出したため琉さんに飛び込んだ形になってしまった。
私はどうしたらいいかわからないまま、後ろへ退いた。
「ごめん…なさい。」
そのままどこへ行くかもわからずただひたすらに走り続けた。
「結衣!」
香さんが伸ばした手は私を掴めなかった。
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