ともだち、こいびと、たいせつなひと
そんなあたしも、
今まで何人かお付き合いをしてきた訳で。

たった今もあたしにお付き合いを申し込んでくれたのは、顔は見た事あるけど名前も知らない人。

そして、お返事を最後まで言い切れずに、るーくんの一声に邪魔されて。



『あの・・・っ』


「あ、ごめんね。るーくん呼んでるから行くね」

『あ、はい。で、彼女になってくれるの?』

「はい、お願いします。」


よっしゃー!と小さなガッツポーズを決める彼を背中に感じながら、あたしはるーくんの元に走る。

行こ?っと差し出された手を、何の躊躇も戸惑いもなく握り、今彼氏になったばかりの人に背を向けるあたしは、彼にどう見えるのだろう。

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