ともだち、こいびと、たいせつなひと


家に着き、玄関に入ると見慣れた小さな靴。

そっと静かに階段を登り、突き当たりにある自分の部屋のドアを開けた。

そこにいるはずの姫菜はなぜだかスヤスヤと俺のベッドで寝息を立てている。


音を立てずにプリンの入った袋をテーブルに置き、姫菜が寝ているベッドの横に座った。


静かに寝息を立てる姫菜の頭を撫で、その頬にキスをした。


「なにやってんだ、俺は。」


俺が今している事は、本当に正しいのか。
姫菜はどう思ってるのか。

知りたい事はたくさんあるのに、怖くて知る事が出来ない。

可愛い姫菜。
愛おしい人。

白い肌に茶色の長い髪。
少し癖のある髪がまた、姫菜の可愛さを引き立てる。
長いまつげにぷっくりと形の良い小さな唇。

寝ていても、綺麗な二重のラインが瞳の大きさを物語っている。



あー、俺、やばいなー。

姫菜。
姫菜。

姫菜。

どうか、このまま目を覚まさないで。


俺は姫菜の頭をそっと寄せて、
その小さな唇にキスをした。
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