ともだち、こいびと、たいせつなひと
姫菜が起きないのをいいことに俺も静かにベッドへ入った。
小さいなあ。
姫菜の腰に右腕を下ろし、そっと抱き寄せてみる。
だめだ、やばい、これ以上は!
俺も健全な男子高生!
寝てるからって、好き放題していい訳がない!
自分との葛藤を繰り返し、
少ない理性をなんとか保ちつつ、
姫菜の横で目を閉じる。
このまま時間が止まってくれれば。
姫菜、起きないでいーよ。
このまま一生、俺のもんになっちゃえばいーのに。
でもダメだ。
俺は姫菜にとって、絶対的存在でいないと。
「はぁ…」
無意識にため息が落ちた。