ドSな王様ひろいました⁈
「…おやすみ」
「…」

寝るんかい!と、ツッコミたくなったが、病人な訳で、瀬名はしんどいはずだ。

私もコタツで寝るより、やっぱりベッドの中で寝たいので、抵抗する事もなく目を瞑る。…シングルじゃなく、セミダブルのベッドにしといてよかった。

…この部屋に、彼氏をあげた事はない。自分のテリトリーに男を、例え彼氏でも、荒らされたくないので絶対入れなかった。

…そう思うと、咄嗟の判断とは言え、瀬名は、凄いヤツだと思った。

…そんな事を考えているうちに、3年ぶりの人の温もりに安心した私は、いつの間にか、眠っていた。

…良かった。明日が土曜日で。仕事が休みだから、ゆっくり朝寝坊出来る。

目が覚めたら、瀬名がいなくなってくれてる事を祈るばかりだ。

そして、私は深い眠りに落ちていった。

***********

…もう少し、ギュッと抱きしめてもらいたいな。

…抱きしめてもらいたいな?

…う、動けない。

私は動けない代わりに、ゆっくりと目を開けた。

「…起きたな」
「…まだいたの?」

瀬名の声と、私の声が重なった。

昨晩の事は、夢ではなく現実だったと、思い知らされる。

「…やけに、清々しい顔ね」
「…熱が下がったからな」
「…」

…瀬名、昨日と今日では、喋り口調が違うような気がするのは、私だけ?
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