ドSな王様ひろいました⁈
「ギャー‼︎なんて写真撮ってんのよ!消して!今すぐ消して!命の恩人にそんな事していいと思ってんの⁈」

「…ギャーって、色気も何もねぇな」
「煩い!とにかく、今すぐそれを消して、この部屋から直ちに出て行って!」

「…俺をここに置くなら」

やっぱり顔色一つ変えないで、ふざけた事を言う瀬名。しかし、…背に腹は変えられない。SNSにこんなアホ面をアップされたんじゃたまらない。

隙を見て、その写真を消す為に、仕方なく頷いた。

「…よし。最初から、素直に頷いていればいいものを」
「〜〜〜っ⁈」

握りこぶしを作って睨めば、瀬名はニコリと天使のような笑みを浮かべた。

…完璧弄ばれてる。…あーもー!こんな男、拾うんじゃなかった!

と、嘆いても、後の祭り。

「…腹減った」
「は?勝手にコンビニでも行って買ってくれば?」

うんうん、こんな男には、こんな態度で十分だ。

「…ふーん、そんな態度でいいんだな?」

と言いながら、スマホを私に見せる。

…反論出来なくなるのを分かってやってる、厄介な奴だ。

「…分かったわよ。…食物アレルギーとかないの?」
「…ない」

「そ、じゃあ、出来たら呼ぶから」
「狭い部屋だ。見てれば分かる」
「…」

…一々棘のある言い方をする奴だな。私は大きな溜息をついた。
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