ドSな王様ひろいました⁈
朝食の用意をしていると、瀬名が私に話しかけてきた。

「…お前、名前は?」

…今更聞くのね。

「…春香」
「今日の仕事は?」

「土日は基本休み」
「どこで働いてる?」

思わず料理する手を止めて、振り返り、瀬名を睨む。

「…そこ、言う必要ないでしょう?」
「…重要な問題だ」

「…」
「どこの会社だと聞いてる」

「…一条コーポレーション」
「…⁈…」

「なによ⁈そっちが聞いたんでしょ!なんて顔してんのよ」
「…どこの部署だ?」

「はぁ?(スマホを見せられた)…営業部の事務」

「…あっそ」
「〜〜〜⁈」

この男は〜〜〜!聞いといて、あっそって、ある?ないでしょ!もぅ!腹立つ!

間もなくして、ドンっ‼︎と、勢いよく出来た朝食をテーブル(コタツ)の上に置いた。

「…仕事はどうだか知らない。でもその性格だと、男はいないな」

「こんの!」

パクリと朝食を口に入れ、数回噛むと。

「…でも、料理だけは絶品だ」
「…」

人を上げたり下げたり、どっちやねん⁉︎と、言いたくなるが、褒められると悪い気はしない。

…なんて、現金な奴だろう私って。

「…本当に、ここに住む気?瀬名の家あるんでしょ?それに30なら、仕事だってあるでしょ?どうすんのよ?」

「…春香には、関係ない」
「…あっそ」

なんだか、怒る気にもならなくなってきた。
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