たった一度きりの青春は盛りだくさん
それにしても・・・。
「達川、声でかい」
そうだよね。
私も和希に同感。
だって、学校に近くなるにつれて人は増えてるから注目集めちゃったもん。
「あ、ごめん。
ってか、佐藤さんと白石って本当に幼なじみやったんや」
私たちの前に立ったまま普通に話し始める達川くん。
まぁ、既に座る場所はほとんどないんだけどね。
「え、どういうこと?」
純粋に不思議に思った私は聞き返す。
「だって、2人の性格って正反対っぽいもん」
まぁ、そうだよね。
自分でもそう思うけど・・・。
「やけん上手くいっとんやない?」
ぼそっと言った和希の言葉に私は耳を疑った。
だって、いつも私が思ってることと同じことだから。
「それより、何で達川が電車に乗っとん」
私の疑問は和希の疑問と一緒だったみたい。
性格は正反対でも考えることは似てるもんね。
「あー、俺、登校時間に雨やったら電車で来ることにしとんよ。
ほら、帰りに濡れるんは良いけど行きは嫌やん?」