たった一度きりの青春は盛りだくさん
―――コンコン
おそるおそるノックをする。
「はーい」
お母さんの声、わりと元気そう。
「お母さん、奈々でーす」
「こんにちは」
私はお母さんの声をきいた途端にまたハイになって、舞い上がる。
和希は相変わらず落ち着いてるけどね。
性格が違う私たちだからずっと一緒にいられるんだろうなぁ。
「あ、和希くんも来てくれてありがとう。
また奈々のテンションが上がって大変やったやろ?」
お母さんってば、全部お見通しなんだ。
さすが、私を産んでくれた人。
「まぁ・・・」
「ちょっと和希、そこは否定してや!」
「ほら奈々、さっさと椅子準備して座ってもらい」
相部屋じゃなくて良かったのかも。
私がお見舞いに来ると、どうしてもテンション上がって賑やかになっちゃうから。
個室だと、限度はあるけどある程度なら開放的になれるし。
「あ、和希くん紅茶飲めたよね?」
「はい、飲めますけど・・・」