たった一度きりの青春は盛りだくさん
「お弁当要るん私だけやし・・・
お母さん今ちょっと体調悪くて」
今の私にはこれが限界。
これでも、高校生になってからのことを考えれば大きな成長。
「あ、そうなんや。
でも、すごいねぇ。
あの美味しそうなお弁当自分で作りよんやろ?」
笑子ちゃんは目をキラキラさせている。
まぁ、確かに、自分で作ってる感を出さないようにバランスや色合いに気をつけてはいたけどね。
それにしても、そんな風に思ってもらえてたんだ。
正直に嬉しい。
嬉しいからお母さんにも作ってってあげたいけど、食事制限がある時があるから無理なんだよね。
「あ、そうや。
笑子ちゃん、あの桜の飴ってどこに売っとるか知っとる?」
食後のデザートも終わり、片付け始めてる笑子ちゃんにきいてみる。
「えっとね・・・私のはお母さんが買ってきたんやけど、スーパーで買ったって言いよったよ」
スーパーか。
うちの近くの小さなスーパーにもあるかな。
「でも、何で?
そんなに美味しかったん?」
やっぱ、そうなるよね。
「うん・・・このパン和希がくれたんやけどね、ちょうどなくて今度返すって言ったら、要らんけどお礼くれるならあの飴が良いって言われて」