たった一度きりの青春は盛りだくさん
さて、宿題宿題。
和希に教えてもらいたい宿題はたくさんあるけど、今日は姫ちゃんに借りてるプリントを先に仕上げなくちゃ。
「それ、朝課外の?」
小さなテーブルを挟んで向かいに座ってる和希がプリントを見て言った。
「うん」
「それ、奈々の字やないよね」
2枚重ねて置いていて、和希に見えるのは姫ちゃんのプリント。
でも、さすがだな。
小さい頃から一緒にいるから、すぐに私の字かどうか分かっちゃった。
「うん、これは姫ちゃんの。
朝おらんかったけんって貸してくれたんよ」
「姫ちゃん?あぁ、姫田か」
和希が姫ちゃんの名字をちゃんと知ってることに驚きながら、私はプリントの残りをする。
私の頭では難しい部分もあるけど、朝課外の内容はまだ大丈夫。
普段の授業の復習的なことをしてくれるから。
それにしても・・・目の前に座ってる和希が怖い。
ううん、正確には、シャーペンの動く速さが速すぎて怖い。
なんていうか、考えに手が追いつかなくて焦ってる感じ。
速く書きたくて仕方ないってオーラが出まくってるもん。
私も勉強できるようになりたいけど、こういうオーラはできれば出したくないな。