たった一度きりの青春は盛りだくさん
いざ、花火を見に
セミの鳴き声が今までよりも大きくなったように感じられる。
毎朝6時半から近所の小学生が集まってラジオ体操をしている。
お兄ちゃんは、前期末に向けてレポートやテスト勉強を頑張ってる。
そう、いよいよ夏休みに突入しました。
・・・とは言っても、私は相変わらず毎日学校に行っていて、今までと特に変わらない生活を送っている。
「昨日母さんとこ行った時きいたんやけど、お盆に一時帰宅するって」
夏休み中の補習は早朝課外がないから、平日はお兄ちゃんと一緒に駅まで行って、和希と合流して電車に乗ってる。
それにしても、今の言葉、私にとって最高のプレゼントなんですけど!
「え、え・・・」
「母さん、奈々の制服姿見たいって」
見せる見せる!
いくらでも見せるよ。
でも、お盆か。
それだったらコンクールや定期演奏会は聴きに来てもらえないや。
まぁ、まず人が多い場所は極力避けなきゃいけないんだけど。
「おはよー、夏生くん、奈々」
電車が来る少し前、駅に入ってきた和希。
あ、夏生ってお兄ちゃんの名前ね。
まだ朝だけどさすが夏。
和希は汗流してる。