たった一度きりの青春は盛りだくさん



部活の時間は長くても7時までって決まってるから、言ってることは分かる。


だけど、次の日に響くのは困る。


とにかく、私を誘う理由をちゃんとききたいんだけどな。


「何で私?他の子誘ったら?」


理由を知りたくて発した言葉だったけど、ちょっと冷たくなっちゃったかな。


でも、ほんとにできれば行きたくないな。


「理由は特にないけど?

あ、姫田さんもおったら参加できる?」


そういうことじゃないんだけどな。


でも、姫ちゃんがいるなら・・・。


まだ夏休み中に遊ぶ日は決まってないし、思い出になるかも。


「うん、姫ちゃんが行くんやったら」


言った瞬間、姫ちゃんのところに急いで向かってる。


姫ちゃん、男子苦手だからな。


急に勢いよく話しかけられて困ってる。


しかも、何故か耳打ちされてるし。


周りには話せないようなことがあるってことか。


でも、その数秒後には顔を赤らめながら頷く姫ちゃんが見えた。


姫ちゃんが頷いたもんだから、その男子は私の方を見て勝ち誇ったような顔をした。


はぁ、仕方ないなぁ。


「おっけー、分かった、行くよ」


私は完全に負けた。



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