たった一度きりの青春は盛りだくさん



「ごめん」


たこ焼きと飲み物を私との間に置いて座った達川くんはそう言って謝った。


「え?」


何に対して謝ってるんだろう。


和希に連絡が伝わってなかったこと?


「俺、白石と姫田さんにはここに着いたこと伝えんようにみんなに言った」


和希と姫ちゃんにはって・・・2人が仲間はずれにされたってこと?


でも、何で。


「俺が、頼んだ。

俺が、佐藤さんに言いたいことあったけん」


達川くんが私に言いたいこと。


うーん、なんだろう。


私と達川くんに共通することだったら、和希のことくらいだけど。


あ、もうすぐ和希の誕生日だからプレゼントの相談とか。


そもそも、男子って友達に誕生日プレゼントあげたりするのかな。


「ごめん、ほんとは花火あがってから言いたかったんやけど」


達川くんは神妙な顔つきで言って、意を決したように私と視線を合わせた。


これは、和希の誕生日のことじゃなさそう。


「佐藤さん、好きです。

もしよかったら付き合ってください」


目に入ったのは、勢いよく頭を下げる達川くんの姿だった。



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