たった一度きりの青春は盛りだくさん
体育は1・3・5組と2・4・6組で分かれてするから、私と和希は別々。
だから学校で会うことはほとんどない。
教室は同じ階にあるからたまにすれ違うことはあるけど、間に階段があるからちゃんと会うってことはないんだよね。
中3までずっと1クラスしかなかったから変な感じ。
「えっと・・・5限目」
「良いなぁ、私なんか1限目やし・・・」
体育が嫌な訳じゃないから、晴れなら全然おっけー。
でも、今日は雨だから朝から体育館は本当に嫌なんだよね。
「どっちみち今日は中でするんやけん、変わらんって」
確かに、和希の言うとおり。
だけど、気持ちの持ちようってもんが違うんだよ。
「あ、来た」
和希の言葉通り、ガタンゴトンって音と一緒に鈍行列車がやって来た。
今から1時間、私たちはこの電車に揺られて学校に向かう。
それから1時間は0限目という早朝課外がある。
さすが進学校だよね、1年生から早朝課外があるなんて。
「そういえばさ、琴音がこの前泣きながらうちに来たけど、なんかあった?」
始発は基本がらがらだから、席は選び放題。
でも、いつもすぐに降りられるように前の方の席を選ぶ。
「あー・・・うん。ちょっとね」
琴音っていうのは、3つ下の私の妹。