たった一度きりの青春は盛りだくさん
牛乳を飲み終えたお父さんは寝室に入り、今度はお兄ちゃんがお風呂に入ってる。
そして、たこ焼きを食べ終えた私と和希は眠気と闘いながら課題をしてる。
頭に時々、達川くんの顔がちらつくけど、気づかないふり。
正直、明日どんな顔して会えば良いのか分からないけど、今は課題が先。
「あーあ」
突然、和希が割と大きめの声を出したもんだから、ビクッと反応してしまった。
「ごめん、きいていい?」
ため息混じりで言った和希の顔は、花火があがる前に探しに来てくれた時と少し似ている。
「何?」
いきなり『きいていい?』って言われても、内容による。
とりあえず何かをきかないと。
「達川と・・・付き合うん?」
私が考えるのを避けようとしていたことだけど、まさかこの質問が和希の口から出るとは思ってなかった。
和希は、私と達川くんがどうなろうと無関心だと思っていたから。
「何で?」
「え?何でって・・・」
質問に質問で返されるとは予想外だったらしく、和希は珍しくうろたえてる。
「だって、私と達川くんがどうなろうと和希は関心ないかなーって思いよったんやもん」
もちろん、私が勝手に思っていただけだけどね。