たった一度きりの青春は盛りだくさん



口先では冷静を装っているけど、だんだん顔が熱くなっていった。


きっと、和希から見た私の顔は真っ赤なんだろうな。


「そっか、良かった・・・あ」


ため息と同時に吐き出された和希の言葉に、私は思わず顔を上げた。


和希はしまった、って感じで口元を右手で覆っている。


「何で和希が安心しよん、変なのー」


思いっきり笑い飛ばしたかったんだけど、顔が引きつってぎこちない感じになってしまった。


だって、今の和希の言葉に何故か喜んでる自分がいるから。


「別に安心なんかしてないし。

ってか、はよ宿題してしまお」


思いっきり焦ってる和希は慌ててシャーペンを持ち直してプリントに向かってる。


さっき感じた嬉しさはどこからきたものなのか正直よく分からない。


でも、なんだか大切にしたいって思ったんだ。


お母さんがそばにいれば、すぐにでも伝えたくなるような、胸がほっこり温かくなる感情。


お盆にお母さんが帰ってきたら、色んな話をしたいな。


きっとその中には、今日の話も入っているはず。


何事もなくお母さんが帰ってこられますように。



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