たった一度きりの青春は盛りだくさん
さて、今度こそ本気で起こさなきゃ。
和希、いつもなら昼寝とかしても30分くらいで起きるのに、よっぽど疲れてたのかな。
補習の前半戦は終わって部活も今日からお盆休みなのに。
「和希、ご飯できたって。
晩ご飯食べんの?」
軽くポンポンと肩を叩く。
和希は体温が高いから、服を介して温もりが伝わってきた。
「んー・・・」
お、起きるか?
声を出した和希に期待の目を向けたけど、駄目だったみたい。
相変わらず何かの夢をみてるみたいで、なんだか苦しそう。
これは早く起こしてあげないと。
「和希!起きて!」
―――バシッ
今度は思いっきり力を入れて和希の背中を叩いた。
これで起きなかったらもう知らない。
遥ちゃんを呼んでくるしかない。
「あ・・・」
ゆっくりと目を開けた和希は今の状況が理解できないみたいで、泣きそうな声を漏らした。
「和希、大丈夫?」
和希の背中に置いてきぼりだった手を下ろして、私は和希の顔を覗き込む。