桜龍
希優とはクラスが違うし住んでいる方向も違うため朝は会えない。
会えるのは昼休みや休み時間にしか会えない。
昨日はちゃんと送って貰えたかな?
なんて思いながらヘッドホンを付け音楽を聴く。
少しの間外を見ていたが眠くなって音楽を聞いたまま机に伏せた。
ガヤガヤとしていてうるさかった教室はヘッドホンをしているせいか静かで心地よかった。
いつも持ってこようかな....?
そう思って目を閉じる。
?「....ぃ」
ペシッ))
少し強めに誰かに叩かれた。
でもそんな事は日常茶飯事で、特に気にすることなく目を閉じたまま寝ようとしていた。
『....!』
気づいたらももう遅く、体がフワッとしになった。
自分が誰かに抱えられていることにきづすのはそう時間はかからなかった。
『え!下ろしなさいよ!』
?「....。」
無言だな。
もう何を言っても答えてくれなさそうだと思い下ろしてくれるのを待った。
知らない男に担がれて空き教室へと入った。
その部屋はマンションかって思うほど綺麗で、ソファーやテレビ小さめだけどキッチンまである。
ドカッと私はソファーに落とされた。
「『....』」
お互い何も話さない。
そもそも何でここに連れてこられたのかさえ私には分からない。
私はまだヘッドホンをつけているためそこまで暇じゃない。
ここに来てどれくらいだろう。
しばらくたったと思う。
そう思っていると....。
ガチャ))
ドアが開く。
ドアに目を向けるとそこにいたのは桜龍の諒夜達。
諒夜達はここの生徒だったのか。
初めて知ったけどあまり驚きはしなかった。
琉「~~~~」
琉人が何か言っているのは分かる。
でも私はヘッドホンをつけているため聞こえない。
話を聞こうなんて思ってはないんだけどね。
もう授業も始まっているだろうし教室に戻ろうと立ち上がり部屋を出て行こうとしたが"誰か"に腕をつかまれた。
振り向かなくてもわかる。
前にもこういうことがあった。
一時停止をした私は後ろを振り返らずその腕を振り払おうとした。
スッ))
振り払おうとした手はまだ私の腕を掴んでいる。
スッっと音がしたのは"誰か"が私のヘッドホンを取ったため。
はぁ。面倒なことなりそうだな。
心の中でつぶやく。
諒「人の話を聞け。」
そう言って強引に元いたソファーに私を座らせた。
諒夜の手には私のヘッドホンがあり、止めていたのは諒夜だった。
しかも隣には諒夜がいて腕はまだ掴まれたまま。
諒「話を進めろ。」
諒夜がそう言い、幹部の人達と知らない男がソファーに座る。
蒼「今日ここに呼んだのは姫について考え直して貰いたいからです。」
蒼はそう言った。
私は呼ばれたと言うより運ばれたと思うんだが。
それに姫にはなるつもりは毛頭ない。
『前にも言ったけど私は姫にならない。その考えを変えるつもりは無い。』
諒「それは元紫龍の姫だからか?」