あなたに会えたのなら

「あぁぁぁぁっー!!」

上から叫び声が聞こえた。
多分、姉の声であろう。

毎朝のことなので慣れてしまった。

この声、やっぱり近所迷惑だな。
外まで聞こえてんのかな?

そんなことを思っていると


「もっーーー、
 なんで起こしてくれなかったの!?」


姉の理子が階段からヒョコッと顔を出して怒っている。


「さっき起こしたわよー。
 起きない理子が悪い。」

母さんがあきれながら言った。



「姉ちゃん。
 それより、時間やばいんじゃないの?」


時計を指しながら言う。

「あぁぁぁぁっー!!
 海斗、サンキュー!」


姉は、本日、二回目の奇声上げた。

絶対、外に聞こえてんな。あれ。



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