正義の味方に愛された魔女4
隼人が入院している病院に寄ってから、店まで送ってもらった。


病院では、病室に入ると、隼人が私の腕をおもむろに掴んで、

「心配しなくても、大丈夫だよ。
店あるし、そんなに頻繁に見舞ってもらわなくても、さ」

《沙耶が来てくれれば、母さんの様子は筒抜けだし、二人の時間を邪魔されたくもないし、ね》


ふふーん……そっかそっか、まぁ、看護婦さんに見付からないようにね。

「顔見たら安心したから、もう帰るねー」


「えー?百合さん来たばっかりじゃないですか」


「いいんだ。沙耶ちゃん、俺らも色々あるから。
隼人、大人しくしてないと傷口開くぞ?」


龍二は意外と空気を読める男だったりする。


「そう……ですよね、私が見張ってますから大丈夫です。お仕事頑張ってください」





「あいつらやっぱり相当、似合いだな。
……俺らの次に、な」


店舗裏の駐車場まで送ってもらい……、
お決まりの『抱きしめてキス』を龍二が忘れるはずがない。

《隼人、重傷じゃなくて良かったな。
百合の宝物だもんな……》


龍二は本当に、私の気持ちを良く解ってくれているんだよね。


「うん。
隼人も龍二も沙耶ちゃんも、みんな宝物だよ……」





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