正義の味方に愛された魔女4

「このお部屋の事なら聞いてもいいですか?
置いてあるものはだいたい女性の物だし、その持ち主のお部屋だと思いますが、
その人は今日はいらっしゃらないのですか?」


「今日はここには帰ってこない。どうしてだ?」


「いえ、深い意味はないです。
私がこのお部屋にいる間、その方がどちらに泊まるのかしら?って。
迷惑かけてません?」


この人が可愛がってる女の人だね。
この人、特定の女性を作らない人だね。
独身でこの年代で…お盛んだけど孤独なんだね。
私は、そういうの理解できない。
龍二もそういうの理解できない人で良かったわ。


「なあ……あんた変わってるな。
部屋の持ち主の心配してる場合じゃないだろう?
迷惑なら、あんたがすでに掛けられてないか?」


「ええ……お店を強制的に閉店させられて来ましたし。
迎えに来た人は、私の旦那さんの事を逆恨みしてる様で、迷惑と言えば迷惑ですね。

でも、ここに着いてからは、コーヒーをいただいてお話しているだけです。

あっ、スマホをOFFにされるのは嫌ですね」


「あんたさ、県警の荒川の奧さんだろ?
キモが据わってる女だな。
店やってるって、いつから?子供は?」




なんだかんだ話してるうちに、
私の話をさせられていた。

シングルマザーで店を開業して25年ちょっと、最近、龍二と再婚した事。
隼人のことにはあまり触れず、ほとんど経営の話だったけど。



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