正義の味方に愛された魔女4
署に着いた私達は、一人ひとり別室で事情聴取を受けた。
しばらくして、龍二が私の靴とスマホを持って入ってきた。
「龍二、ありがとう。絶対助けに来てくれると思ってたから、全然不安じゃなかったよ」
龍二は、ガバッといつもより力一杯私を抱き締めて、
「はぁ……無事でよかった……。
俺、心臓止まるかと思った。
15年もののワインって…その状況でよく話を作ったな、よしよし」
頭ポンポン…。沙耶ちゃんが好きなやつだね。
ここは取調室なんですけど……実はそこに碓井さんが下を向いて座っています。
すみませんね……。
「あと一人な、百合を連れ出した奴がまだ見付からないんだ。
俺が昔、逮捕した高橋慎二って…傷害致死で入ってて、今月出てきたばっかりだった。
銃は、藤波の所有と違うものらしいが……」
《『おもちゃの本物』って意味不明だったな……あれには血の気が引いたぞ……》
「だけど、どうして藤波が百合の事をちゃん付けで呼んでるんだ?百合も名前呼びだって、あのジジイ言ってたぞ?」
「うん、そうなの。色々お話してたらね、優しいおじいさんでさ…。
本当は孤独な人なんだよ。
思想の話は視えたけど、よく解らないから会話にはしなかった。
あっ……違う!したわ。
何だか私、辰彦さんに差し出がましいことを言っちゃったんだっけ」
「ぶっ……やっぱりか。それでか。
あのジジイさ、取り調べで『オレに説教タレた女は百合ちゃんだけだ』って笑ってたよ…」
「碓井さんにも笑われたよ。
犯人グループの人達にも『変な女』って言われた。
龍二も前はよく私の事、変な女って言ってたもんね。
何が変なのかよくわからないけど、気持ち悪いと思われるよりずっといいよ」
《百合は最高だよ。愛してる》
あのね?ここ、署内……。
しばらくして、龍二が私の靴とスマホを持って入ってきた。
「龍二、ありがとう。絶対助けに来てくれると思ってたから、全然不安じゃなかったよ」
龍二は、ガバッといつもより力一杯私を抱き締めて、
「はぁ……無事でよかった……。
俺、心臓止まるかと思った。
15年もののワインって…その状況でよく話を作ったな、よしよし」
頭ポンポン…。沙耶ちゃんが好きなやつだね。
ここは取調室なんですけど……実はそこに碓井さんが下を向いて座っています。
すみませんね……。
「あと一人な、百合を連れ出した奴がまだ見付からないんだ。
俺が昔、逮捕した高橋慎二って…傷害致死で入ってて、今月出てきたばっかりだった。
銃は、藤波の所有と違うものらしいが……」
《『おもちゃの本物』って意味不明だったな……あれには血の気が引いたぞ……》
「だけど、どうして藤波が百合の事をちゃん付けで呼んでるんだ?百合も名前呼びだって、あのジジイ言ってたぞ?」
「うん、そうなの。色々お話してたらね、優しいおじいさんでさ…。
本当は孤独な人なんだよ。
思想の話は視えたけど、よく解らないから会話にはしなかった。
あっ……違う!したわ。
何だか私、辰彦さんに差し出がましいことを言っちゃったんだっけ」
「ぶっ……やっぱりか。それでか。
あのジジイさ、取り調べで『オレに説教タレた女は百合ちゃんだけだ』って笑ってたよ…」
「碓井さんにも笑われたよ。
犯人グループの人達にも『変な女』って言われた。
龍二も前はよく私の事、変な女って言ってたもんね。
何が変なのかよくわからないけど、気持ち悪いと思われるよりずっといいよ」
《百合は最高だよ。愛してる》
あのね?ここ、署内……。