正義の味方に愛された魔女4
7 相手の領域
帰ってきたのがもう暗い時間だったので、結局、店を開けずに自宅へ上がった。
なんだかすごく疲れた日だ。
龍二が帰ってきたら温めてすぐに食べれるような夕食を準備し終わると、
ソファでウトウト……。
夢を見た。
母がなくなる前に私に『神様のプレゼント』の話をしてくれたあのシーンだ。
『自分にも人にも、薬になる様に、力を正しく優しく使って生きていって欲しい』
次々に浮かぶ顔…。
私が心を視た、視せてもらった人達みんなに対して、
私は力を薬になるように使っているだろうか……。
相手の心の声がリフレインされて、
自分の中途半端な対応を、相手に責められている気がした。
菜摘さんは、『まだ好きだけど信じられない、気持ち悪い』と。
辰彦さんは、『家族の良さを知らんのだ』と。
だって……私に何が出来るの?
信じる心は、人に与えてもらうものではないし、
家族を持たなければその良さは解らない。
薬の副作用ってあるんだね、母さん……。
用法用量を守って正しく使っても、合わない人には合わないんだね……。
母が、囁くように言った。
『大丈夫。
百合が正しいと判断して、優しさを持って使ったのなら、
間違ってないのよ。
相手が自分の心を動かした結果、どうするか。
そこは貴女が介入する領域ではないんだから』
私は童話のお姫様みたいに龍二にキスをされて目が覚めた……。
なんだかすごく疲れた日だ。
龍二が帰ってきたら温めてすぐに食べれるような夕食を準備し終わると、
ソファでウトウト……。
夢を見た。
母がなくなる前に私に『神様のプレゼント』の話をしてくれたあのシーンだ。
『自分にも人にも、薬になる様に、力を正しく優しく使って生きていって欲しい』
次々に浮かぶ顔…。
私が心を視た、視せてもらった人達みんなに対して、
私は力を薬になるように使っているだろうか……。
相手の心の声がリフレインされて、
自分の中途半端な対応を、相手に責められている気がした。
菜摘さんは、『まだ好きだけど信じられない、気持ち悪い』と。
辰彦さんは、『家族の良さを知らんのだ』と。
だって……私に何が出来るの?
信じる心は、人に与えてもらうものではないし、
家族を持たなければその良さは解らない。
薬の副作用ってあるんだね、母さん……。
用法用量を守って正しく使っても、合わない人には合わないんだね……。
母が、囁くように言った。
『大丈夫。
百合が正しいと判断して、優しさを持って使ったのなら、
間違ってないのよ。
相手が自分の心を動かした結果、どうするか。
そこは貴女が介入する領域ではないんだから』
私は童話のお姫様みたいに龍二にキスをされて目が覚めた……。