正義の味方に愛された魔女4
車は山道を走り、管理されていなさそうなコテージの前に停まった。


「降りろ」


はいはい、やっと外の空気が吸える……と思ったら、猿ぐつわですか?
こんな場所で大声を出しても誰にも聞こえないと思いますがね。

用意がいいことに、中に入るとロープで柱に縛り付けられてしまった。

そうそう、これ。
これが誘拐拉致監禁のイメージだ。
辰彦さんが紳士的すぎたのよ。


高橋は、私のスマホに龍二の番号を表示してすぐ電源を落とし、自分の電話で発信した。


『もしもし……』


「荒川龍二だな。久し振りに声を聞いたら虫酸が走るなぁ。
あんたにさ、しょっ引かれて長いこと人生棒にふった高橋慎二さんですよー。

百合さんね、俺んとこに居るんだよねー。
可哀想になぁ。
訳もわからずこんなとこまで連れてこられて、
名前しか知らない奴に、やられそうになってんだから」


『高橋か!百合をどこに連れていった?!話をさせろ!』


「これから言う場所に来れば話をさせてやってもいいぞ。
他の刑事が一緒に来たら、わかってんだろうな」


高橋は龍二に場所を教えて電話を切った。





「ボス……。
近くまで一緒に行って待機します。インカムで指示してください」


「そうだな……高橋は銃を持っている。
俺を殺りたいだけだ。
仲間は…いても一人だろう…。
碓井さんと朝川。一緒に来てくれ。

その前に、藤波に会って来る」


「藤波を連れていってはどうでしょう…」


龍二は部下二人と藤波辰彦を連れて車2台で行くことにした。





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