正義の味方に愛された魔女4
「どうしてそれを?」
「どうしてって……だから解るって言ったでしょうに。
貴女、未練があるのよね、あの子に。
それは、外見とステータスがほとんどで、残りは女の子扱いしてくれる優しさ。
自分を大切にしてくれていたのにって、別れたことを後悔しているのよね?
妊娠したって言えば、隼人が戻ってくるとでも?
貴女、本当に何も信じようとしないのね。
隼人にも私にも狂言なんか通用しないのよ。
貴女は自分が大切なだけなの。
今後の相手とは、もっと自分に自信をもって、相手を信じて思いやる気持ちでお付き合いした方がいいわよ?
さっき、思ったでしょ?
そう。あそこにいる子は隼人の彼女。
疑ってる様だけど二股じゃないわよ。
貴女と別れたあとに始まったお付き合いだから。
きっとこれからずっと、あの子が隼人の大切なパートナーだと思う。
可哀想だけど、貴女の入る隙間は1ミリも残ってないの」
「なんで?何で全部わかっちゃうのよ、気持ち悪い!」
「百合さんは、気持ち悪くなんかありません!
貴女が百合さんと隼人さんの話を全く信じようとしなかった事のほうが、私には信じられません。
申し訳ありませんが、お客様じゃ無いのでしたら出て行って頂けませんか?」
「えぇ、こんな気持ち悪いおばさんに、もう近づくのも嫌だわ。
安心して?
隼人さんも同族の化け物なら、もうヨリを戻したいとは思わないから!
でもねぇ……貴女の様に、まだ未成年?のお子ちゃまが好みだなんて、
隼人さんも趣味が悪くなったものだわ。
ロリコンだったのかしら?」
「隼人さんは化け物でもロリコンでもありません!
出て行って!早く出て行ってください!」
「沙耶ちゃん、ごめんね、嫌な思いしたね」
「……うっ…ぅえ……ゆ、百合さんは、き、気持ち悪いお……おばさんじゃない。
……隼人さ…んは化け、物なんかじゃ……。私は子供っ…ぽいけど……」
沙耶ちゃん、貴女が泣くことはないのよ。
「私が気持ち悪がられることなんて、子供の頃から慣れてるの。
隼人のことは、沙耶ちゃんが解ってあげていれば、他の女の人がどう思おうと関係無いでしょ」
「でも……ひっく……でも、悔しいですぅ……っ」
「沙耶ちゃん、午前休憩あげるからさ、二階で泣き止むまで休んでおいで。
お化粧直さないとパンダだよ?」
《えっ……パンダ?やだ…》
「お言葉に甘えます。早めに戻りますから…」
「ごゆっくりー。
スティックのロイヤルミルクティーあるよー?」